アイソレーションの大切さ

アイソレーションとは、ダンスをするとき、
体全体を使わずに、特定の部分だけを動かす
ことを言います。
ベリーダンスの場合では
たとえば足をシミーなどしているときは
腕など上半身は動かさない(キャンセリングと言います)
ことで足の動きだけが強調されます。
逆に腕をショルダーシミーしているときは
足など下半身を動かさないことで
腕の動きだけが強調されます。
ベリーダンスの不思議な動きは
アイソレーションのこのキャンセリング効果に
よるものだと思います。
ニューヨーク・フュージョンスタイルのダンサー
セーラ・ソルスティス(Sera Solstice)の発言
『Bellydance is all about isolation.
(ベリーダンスはアイソレーションがすべて)』
のとおり、ベリーダンスにはアイソレーションの
練習がとても大切です。

アイソレーションの自主練は
どこにでもあるものでできます。
家でシミーなど自主練を行うとき、
壁や何かつかまれるものに両手を置くか握るかするなどして
上半身を固定して行ってみてください。
ショルダーシミーも同じようにして練習できます。
最初はゆっくり、ポーズを確認するような感じで
徐々に動きを早くしていきます。
好きな音楽をかけて２～３曲ほど
聴きながら行うと楽しいです。
また、ちょっとした合間に行うと
気分のリフレッシュや
長時間座った後の骨盤調整に丁度良いです。

胸のアイソレーションやアンジュレーションは
肩などほかの部分が動いたら分かるように
とくに鏡で確認することが大切です。
両手を骨盤の前に置いて、胸だけをアップダウン
させたり、右や左に動かします。
最初は肩や顔が動いてしまうものなので
できるだけ小さな動きで少しずつ大きく動かせるように
していきます。
そして「他の部分を出来るだけ動かさないようにする」
この気持ちがとても大切です。

アンジュレーションのうねりは
習得するのに時間がかかる動作と
言われています。
私の先生は綺麗なアンジュレーションを
行うには２年かかる、と言っていました。
私は「２年かあ、まあ気長にやろう」と
軽い気持ちで続けていました。
アンジュレーションは、うねりそのものは
なんとなくできるようになるのですが
うねりながらステップを踏んだりと
他の動作をするときにどうしても
アイソレーションが崩れてしまいがちです。
それを綺麗に見せるようになるのには
２年かかる、ということなのでしょう。

アイソレーションが綺麗になっていくと
体軸がしっかりと整い
必要以上に力をこめて行わなくても
ベリーダンスらしい動きができて
段々楽にそして楽しくなってくると思います。

手だけを動かし切ない想いを表したかと思えば
ふと一瞬の静止があり、
高まる音楽と共に
ダイナミックなシミーで深い激情を表す
ダンサーの気持ちを伝えてくれるベリーダンスに
アイソレーションは絶対不可欠なものだと思います。

むんじぷちゃん